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ユニックス事始め
DOSユーザ UNIXに出会う

私がUNIXに初めて出会った体験記で
95/12/3 埼北マイコン研究会で発表したレジメです。
HTMLスタイルにするため段落記号などを入れたり
半角カナを全角に直した以外、特に手は入れていません。
なお、これを書いた時点でサンの関係ありそうな部署3カ所に
送ったのですが何にもレスはありませんでした。

0.UNIX & 私

    前口上 

1.なぜUNIXを

    我に艱難辛苦を与えたまえ、というつもりはなかったが...  

2.目指したこと

    こういうことがしたかった  

3.取りそろえるもの

    こんな基本構成を考えました。

4.スケジュール

    ステップバイステップ。何しろ本業(工場の設備屋)の合間です。 

5.なぜ SOLARISか

    少々高くても確実にうごくものを。(英語版のソラリスはフリーになったって?!)  

6.ハード構成

    この当時最速でした...  

7.ソフト類

    いろいろ買ってもらった。  

8.ソラリスが動き出すまで

    すべってころんで日が暮れて  

9.参考書 と 情報源

    とにかく身近にUNIXグルがいないのだから本にたよるしかない  

10.gcc を 探して

    UNIXのフリーソフトは、まずコンパイルしなければなりません。 

11.SUNへの御願い

    私はビギナーです  

0.UNIX & 私

    昭和30年台に高分子化学系の学校を出て就職したころ、電子計算機は原子炉なみに
    ありがたい、一般人にはまったく無縁のシロモノだった。
    諸般の事情で、40代半ばにしてFA屋をこころざし、個人の趣味の延長みたいなもの
    であるがマイコンのハード/ソフト関係をなりわいとするようになった。
    同窓会で話をしたら「何や パソコンか」と鼻で笑われた。

    そのころ仕事で訪問したさる会社の開発ルームで、VAXなるマシンに御目にかかった。
    となりの部屋を占領している大きな箱をガラスごしに見て感心した。
    担当者の机にそれぞれ端末があり、ぜんぶオンラインでつながっているのだそうな。
    「へー」である。
    端末の一つをなにやら操作して「メールが来てますね」と言う。話には聞いていたが
    「へー」である。
    メールは「こんど社員旅行でロンドンにゆくが、オプションで観劇にゆく人は幹事に
    連絡のこと」といった内容である。「本物ですか」と聞くと「本物だ」の返事。
  もひとつ「へー」であった。

  当時、私の開発環境は、PC8801でCP/M80を動かし、主にZ80を
  ターゲットとしていた。1本の232CにROMライタやICEをつないで、
  アセンブラやFORTHコンパイラを使っていた。
    余談ながらこのころ開発したボードマイコンは 今でも機嫌良く
    24時間現場で稼動している。

  やがて、「日本で使うパソコンは日本語がちゃんとできんとあかん」ということ
  になり、98全盛の時代がきた。
  現場で動く専用のマイコン応用コントローラ(いわゆるシーケンサ)もどんどん
  性能が上がり、これだけで大抵の仕事がこなせるようになった。
  また上位機種ではネットワークを組んで動くようになり、私もトークンパスとか
  リアルタイムOSといったものとつきあうようになった。

  SUNとかビットマップディスプレィとかNEWSといったコトバを耳にするように
  なったが、まだ別の世界のことだと思っていた。
  そしてDOS/Vが生まれ、あっという間に「ハードは3ケ月一昔」の
  時代になった。
  気がついたら、ヒマラヤのように遠い存在に思えたUNIXが、すぐ間近に来ていた。

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1.なぜUNIXを

  私が組んで工場の現場で24時間稼動している塗料製造装置が2セットある。
    ・粉 ・液甲 ・液乙 の3グループの原料を 所定量混合する。
  混合作業は、ロードセルを使用した自動計量装置により、シーケンサで
  制御する。
  以前は、「指図書」をみて作業者が設定していたが、その内容は電算
  のマスターファイルにあり、指図書もそこから打ち出されるので、
  6〜7年前に下記のような構成にした。
   ・電算のマスターファイルを、IBMフォーマットのディスクに落とす。
   ・これを市販のツールで DOSフォーマットに変換する。
   ・使い易いマスターファイルに変形して、現場設置のパソコンに入れる。
    パソコンは232Cでシーケンサにつながっている。
   ・シーケンサから配合番号で問い合わせると、パソコンが配合内容を
    送信し、配合装置が自動で設定される。
   ・配合マスタの入れ替えは、担当者が手作業でおこなう。
   ・別の仕事として、配合の実績をシーケンサにつないだ小型プリンタが
    打ち出し、作業者の確認の一助としている。
  
  昨年、事務作業の合理化をめざして、工場内にイーサネット(シックイーサ)が
  敷設された。
  主な用途は、製造現場で発生する作業実績などのデータを、各現場に置いた
  端末機から(その実体は、タッチパネル付きのDOS/V機)直接取り込む
  ことである。
    従来は、現場で記入した伝票を巡回して集め、現場の事務室にある
    端末機から打ち込んでいた。
  データベース INFOMIXを使って24時間稼動のUNIXサーバ
  (富士通 DS90)がデータをまとめ、電算の本機にバッチで送っている。

  このLANシステムを利用して、配合マスタを直接現場のシーケンサに送り、
  またシーケンサがつかんでいるいろんな現場データ(の必要なもの)を、
  直接取り込むための開発も手掛けたい、と考えた。

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2.目指したこと

  イーサネットにつながったパソコン(将来的には、シーケンサも)と、サーバ機
  の間で、データのやり取りが出来るようにしたい。
  現行のシステムは、「すべて外部おまかせ」で出来上がったので、
  ちょっと相談をもちかけると「それは別料金です」という返事が返ってくる。
  電算の担当者も「とりあえず、起動と停止はできます」というレベルなので、
  すべて自力で進める覚悟をした。

  現に稼動しているLANで開発/テストを進めるのは不安があるため、
  開発用のUNIXサーバを入れ、試運転を自分の部屋内のLANですませる。
  そのためにも、電算に積極的に働きかけるためにも、ある程度の実力を
  付けなければならない。
  マシンとしては、いわゆるDOS/V機を使うことにした。
    私の回りで ・シーケンサのソフト開発 ・CAD ・ワープロ等一般
    事務処理など、日常業務に使っているのは、すべて、従来型のNEC機
    であるが、そろそろ DOS/Vに切り換えようか、との含みもある。
    自宅では、以前から寄せ集めのDOS/Vマシンで遊んでいます。

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3.取りそろえるもの

  [ハード]
   *サーバ機本体(いわゆる DOS/V機)
     ・できる限り早いものにする。
     ・DOS/WINDOW/UNIXを同居させるため、必要な容量の
      ハードディスクをつける。
     ・上記の各OSに(できたら 従来型NEC機にも)使えるば
      バックアップ用メディアをつける。
   *ターゲット機
     ・現場でシーケンサにつないで動かす。現在、シーケンサにつながって
      いるのは従来型NEC機、工場LANにつながっているのはDOS/V
      機である。いずれもDOS(シングルタスク)で走っている。
      仕事量としては一台で充分まかなえるが、工数を減らす意味から
      これまで通り2台とする。
      互換性を考えてDOS/V機とする。
      ファクトリーモデルも考えたが、要するに・ファン/ごみ避け
      ・RAS(瞬停対策など)がついているだけで、かなり高い。
      今 現場で走っているNEC機は普通のモデルだが ・特製の箱に入れ
      電子冷却をつけ・ノイズカットをつけ・シーケンサ側で常時監視する
      などの対策をして実績もあるので、今回も
      「秋葉原でアウトレット品をさがす」ことにした。
   *サブ機
      ターゲット機の控え。ターゲット機のソフトを開発したり
      サーバ機とつないでテストするのに使う。
      後で説明するLAN監視を行うのにも使う予定なので、そこそこ早い
      のが望ましい。
      シーケンサの開発ソフトなども、DOS/V用がぼつぼつ出てきたから
      そちらの用途もにらんでおく。
   *ハブ
      テスト用のLANは、10BASE−Tとする。
   *ラップトップ機
      テスト用端末。現場サービス用として持っている98ノートを使う。
  [ソフト]
   *UNIX
      後で述べる。
   *WINDOW
      LANに強いことから、WINDOW−NTにした。日常業務に
      使うソフトでも
       ・CADでは、従来ワークステーションが必須だったクラスでも
        NTで使えるようになってきた
       ・一太郎も走る。
       ・ WINDOW95は 企画時点では実績がなかった...
   *パソコン(DOS)用TCP/IP
      98用とDOS/V用が必要。
   *LAN監視
      FA関係で、232Cを使うデータ交換の開発をいろいろやったが
      他人同士(一方が シーケンサ 一方がインテリジェント・センサなど)
      の場合 信号のモニタリングができないと大変である。
      この経験からして SNIFFER とはいわないが
      232における「みえちゃん」程度のものは欲しい。
   *マルチブート
      DOS/WINDOW/UNIXを一台で切り換えて使うのだから
      しかるべきブート管理ソフトが必要と考えた。

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4.スケジュール

  *93年春
    工担デジタル1種取得。「デスクトップ印刷システム開発プロジェクト」
    から離れて、次の目標をLANに決め、勉強をはじめた。
  *94年12月
    やることの全貌がほぼまとまり、資料集めをはじめた。
  *95年1月
    提案書「FA用LANの開発・試作」を、生技TM(上司)製造GM(客先)
    に提出。
  *95年3月
    次年度工場投資計画が本社で認可。Aランクで入る。
  *95年5月
    工場LAN経由で、UNIXにパソコンTCP/IPでアクセスするテスト。
  *95年7月
    稟議認可。サーバ機とUNIX発注。
  *95年10月
    基本的なテストが終わり、電算のマスタファイルの仕様決定。
    ターゲット機・サブ機・サーバ機の増設ハードディスクなど購入。
  *95年11月
    増設ハードディスクにトラブル多発し交換。LAN監視ソフト購入。
    道具は ほぼ揃った。

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5.なぜ SOLARISか

  以下、95年春時点の話なので、現状とは違う点もある。

  電算のサーバ機は、富士通のUNIX[UXP]である。これは SVR4系
  だから ・できたらSVR4でDOS/V用 の条件で探した。

  *ソラリス
    ワークステーション用のとソースコンパチは魅力であるが、高い。
    Cコンパイラは別売りである。
    OS + 開発キット(コンパイラ 統合環境 SDK)+ 一年間電話サポート
    で約22万。
  *PANIX
    98用UNIXの印象が強い。DOS/V用は出始めたところで多少?。
    UNIXの初心者に配慮した作りなのはうれしい。
    TCP/IP回りが別売りで、OSに別に組み込む手間がかかるのは
    目的からして気に食わない。価格は、ソラリスの約半分。
  *SCO−UNIX
    アメリカ(及び世界)のPC−UNIXではトップのようだが、
    日本ではほとんど実績がない。
  *Unix−Wear
    ノベルがNetWearとの親和性を第一に出したもので、正統派UNIX
    と少し感じが違う。
  *NextStep
    話にはきいているが...
  *その他フリーのもの
    個人の趣味として考えれば LINUX など 魅力的ではあるが、
    ・仕事で使い ・多少とも使える人が身近には居ない と言う条件で
    OSの立ち上げであまりガタつくのは困る。
    最少限度のサポートは必要であると考え、検討対象からはずした。

  そういうわけでソラリスにした。
  95年9月、幕張の展示会に行ったら、いきなり値段が半分になっていたのは
  ショックであったが...

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6.ハード構成

  *サーバ機
    DEC セレブリスXL5100(ペンティアム 100MHz) RAM32M
      ハードディスク:SCSI 1G  video:DIAMONDステルス64VRAM(4M)
      CRT 21インチ
    企画時点では最速であったが...
      今もう一度同じ条件で探したら、GATEWAYになりそう。
    バックアップメディアは QICがよさそうだが 予算の都合で見送り。
    後日 2.1G のディスクを増設したが (カンタム エンパイヤ2100s)
    トラブル続きで 結局 交換する羽目になった。
    新しいほうが(HP 3325)薄く静かで 値段も一割安い(その間40日)。
    
    そういう訳で一時的にサーバが機能せず開発にさしつかえたので、サブ機に
    最少限度のソラリスを入れて、なんとかLANを動かした。
    あとで、ソラリスに関して、DECでは IBMでは という話が
    出てくるが、それぞれのこの構成のマシンの話であるし
    そういう事情によるものである。
  *サブ機
    IBM アプティバ520 (DX4 100MHz) RAM16M
      ディスク:IDE 540M  ビデオ:CL-GD5430(1M) CRT 15インチ
    アウトレット屋を回った。ソラリスがとにかく走るハードが15万で
    買えるとは有り難いご時勢。
  *NIC
    98ノート用
      TDK−CD021。同梱のNDISドライバにバグがあり、動くものを
      入手するのに3週間かかった。関連の仕事で最初に買った道具であり
      「アクセスできない。どうしてだろう」と、かなりめげた。
    DOS/V用
      その経験をふまえ、確実に動くものとして 3COM イーサリンク3。
    98用(ハブ兼用)
      メルコ LGH98。8ポートついて安い。

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7.ソフト類

  *98用 TCP/IP
      ソリトン 日本語TCP
  *DOS/V用 TCP/IP
      アライド・テレシス PC/TCP
  *LAN監視
      アライド・テレシス LAN Watcher
    これから使い込んでゆく。測定器と考えるとこれぐらいか、と思うが
    パソコンソフトとすると、かなりの金額である。
  *Win−NT3.5
  *マルチブート
      ライフボート システム・コマンダー
    マスター・ブート・レコードを横取りする。ソラリスのブート機能と
    NTのブート機能を合わせると 結局 使わなくて済んだ。
    これは強力な機能を持つが、なれないとケガをする。
    「やり直し」をするとき、無邪気にディスク全体を FORMAT /S しても
    DOSが立ち上がらず、蒼くなった。
    FDISK /MBR も知らなかったから。
     ちなみに 私のディスクの割り当ては
       0番 1G(ブートディスク)      1番 2.1G
        DOS              ソラリスの残りパーティション
        NT
             ソラリスのルート・パティション
     DOSのFDISKで、ソラリスのパーテイシヨンをアクティブに
     すると、まずソラリスの1STブートが出る。
     ここでソラリスかDOSかを選べる。

     DOSを選ぶと、NTのブートが出て、DOSかNTかを選ぶ。
     DOSパーティションをアクティブにすると、
     最初からNTのブートになる。
     ソラリスの(少なくとも)ルートを、ブートディスクに入れないと
     ブートフロッピィからでないと、ソラリスは立ち上がらない。
  *プリントユーティリティ
     ユニテックス プリントフィルタ
   (後でもふれるが)このOSは、ポストスクリプトプリンタを使うのを
   前提としている。
   せっかく ESCPAGE の走るプリンタをもっているのだから、何とか活用したい
   と思って追加手配した。
   ただ、次にUNIX関係を増強する機会があったら、A4版のポストスクリプト
   プリンタは入れたい。(やはり、ないと不便)

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8.ソラリスが動き出すまで

  いろいろありました。

  以下、SUNのサポートの悪口をならべているみたいだが、本意ではない。
  要は初心者を暖かく導いてほしいという、強い願望のあらわれと
  理解いただきたい。

 *UNIX初心者がインストールして立ち上げることにともなう問題
  
  UNIXを 使いなれている方々にはなんでもないことだろうが
  私がまず首をひねったこと

  ・パーティションの切り方
   インストールソフトは、よくできてると思う。ただパーティションだけは
   おまかせでやると後でエライ目にあう。
   DOSユーザの感覚だと、「同じディスクの中なら、どうでもなる」訳だが
   UNIXでは、パーティション(基本的なディレクトリ)の段階でサイズが
   決められる。
   「おまかせ」では、システムをインストールする分(プラス アルファ)しか
   場所をとらないので、下手するとディスク全体の容量には余裕があるのに
   満杯ということになる。
   システム以外の追加ソフト(ソラリスの場合 コンパイラもこれです!!)は
   昔流では /usr/bin /usr/local/bin といったところに入れるのが常識だった
   が、ソラリスでは、すべて /opt に入れるようになった。
   強引に別の場所に入れると引っ掛かることが多い(リンクを張るとか
   逃げる方法は有る・・・らしいのだが)
 
   私は、結局、何回もインストールしなおすというやり方で、だんだん
   利口になった。

  ・ログイン時の環境
   最初に SUNサポートからもらった資料に /etc/skel/local.profile を
   ~/.profile に コピーし /usr/ucb を削除し  /usr/sbinを追加する などと
   あったが
     ~は ホームディレクリのことで root と ユーザでは違う、とか
      Cシェルでは .cshrc .login になる  とか
     /ucb /sbin の違いとか( /5bin  というのもある)
   といったへんで、つっかかった。(私はそういうレベルから出発したのです)

 *DOS/Vといういわば雑多な部品を組み合わせた(メーカーでつかみにくい)
  ハードウエアに、複雑なOSを組み込むことによる問題
   ・予想に反して?! ほとんどなかった。
   ・こういう組み合わせで動きますと言うのは、最新リストがデイーラーや
    NETで入手できる。
   他のPC−UNIXより、カバーしているデバイスが多いと思う。

   ただ、こんなことがあった。
   DEC機は、SCSIのコントローラが NCR 53C810 である。
   これは確かにリストにのっているが、CDROMドライブの型式が
   はっきりしない。
   万一CDが読めないと、インストールが始まらない。
    (DEC INF) 東芝製ですが、OEMなので型式はわかりません。
    (SUN INF) このリストにないものは、保証できません
   ということで 随分心配した。
   DEC機の現物が到着して電源を入れると、最初にSCSIにつながった
   デバイスのメーカー名と型式が表示される。
   CDROMドライブは東芝の5201Bで ちゃんとリストにのっているものだった。
  ・SUNのマニュアルにも多少ふれてあるが NCRのSCSIコントローラは
   少し相性が悪い(使用不能ということではない)
   まず、2NDブートが遅い
   20秒ほど考えてから、つぎに移る。IBM機ではそんなことはない。
   認識できずタイムアウトになったとき、といったシーケンスで
   動作しているらしい。
   それから、リブートが効かない。
   具体的にいうと、最初のパッケージをインストールした時点では、ちゃんと
   リブートできるのだが、アップデート7のドライバディスクを組み込むと
   リブートができなくなる。
     SHUTDOWNすると 最後の PUSH ANY KEY で止まってしまい 以後
     なにも受け付けなくなる。
   しかたなく、リセットボタンを押すことになる。
   DEC機はサーバモデルとカタログにあるのに、リセットボタンが堂々と正面に
   あるのはどういう了見だと思っていたが、こういうこともあるのか...
   実害はないといえばそれまでだが b -r ごとに「無理にリセットしたで..」
   とのワーニングがでるのは、精神衛生によろしくない。
   
 *ソラリスX86固有の問題
  ・インストールのやり方については、マニュアルや雑誌の記事に詳しいので
   省略する。
  ・雑誌の記事に、インストールすると直ちに日本語モードで立ち上がると
   書いてあるのがあるが、スパークマシンではそうかもしれないが、X86では
   .PROFILE などを 書き直してやる必要がある。
   このことは、アップデートディスクをもらったときにコピーがついていたから
   目に角たてることではない。
   ただ、次の2点はペラでよいから最初から情報が欲しい。

  ・時間がずれる。
   インストールのときに「地域は?」ときいてくるので、当然「JAPAN」と
   指定する。これは時間だけに効くので、GMTとの時差9時間として
     ロケールの指定が、あちこちに別れるのは、UNIX固有の問題らしい。
   指定した今の時間と9時間ずれた時間(GMT)がBIOSにセットされる。
   ソラリスしか使わないのならこれでも別にかまわないが、(私のように)
   他のOS(DOS とか WNTとか)に切り換えてたちあげると、ずれた
   時間に気がつく。
     ソラリスの設計者は、ソラリス以外のOSに切り換えるなんてことに
     思い及ばなかったらしい...
   SUNサポートから聞いた対策は次の通り
    /usr/sbin/rtc -z JAPAN を実行し 作成された /etc/rtc_config の
    zone_lag を -32400 とする。(9時間×60分×60秒)
    つぎリブートしたとき、BIOS(または DOS/WINDOW)の時間を合わせる

  ・プリンタの問題
   これについては、かなりの工数を要した。
   SUNサポートでは状況を把握していらっしゃらないようで、結局参考書を
   ひっくりかえし(富士通のDS90のマニュアルまで!)
   自力でなんとか解決した。
   このOSでポストスクリプト以外のプリンタを使おうとすると、手間がかかるし
   使い勝手もよくないのである。
   セントロにつながったESC/Pプリンタを 使う場合
    ・・ /dev/lp0 または /dev/lp1 が 出来ていることを確かめる。
      どちらもなければ マシンがセントロポートに割り当てている
      I/OアドレスとIRQを 確認し /kernl/drv/lp.conf を
      書き直す。
      ハードのエントリポイントはブート時にこうしたconfig.fileを参考にして
      OSが自動的に作る。
    ・・アドミンツールのプリンタマネージャを開く。書き直すのは
       プリンタポート (できているもの)
       プリンタタイプ  epson2500 (POSTSCRIPT以外なら 
                    なんでもよいのか?)
       ファイルコンテント  ASCII
    ・・上の操作で出来た /etc/lp/filter.tbl の内容をのぞいてみると
      実際は、ポストスクリプトしか指定されていない。
      lpfilter -f all -l としても 同じことが確認できる。
      そこで、次の操作をする。
    ・・/etc/lp/fd に カレントを移し lpfilter -f epsonvp -F epsonvp.fd
      とする。これで やっと ESC/Pプリンタ が 使える。
    ・・ただし lpコマンド のみで デスクトップのプリントツールでは
      やはり 「フィルタなし」のエラーに落ちる。
        いわゆる 一つの バグではなかろうか
    ・・追加したユニテクス・プリントフィルタでも lp のみ可能である。

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9.参考書 と 情報源

   私が買い込んだ単行本では
  *「スーパユーザの日々」「UNIXネットワークの日々」 オーム社
    DOSから はるかにUNIXを眺めてあこがれていたころ 愛読した。
  *「TheUNIXSuperText 上 下」  技術評論社
    分厚く高価だが 教科書として座右に備えたい。
  *「たのしいUNIX 同続」  アスキー    
    全分野を網羅しているわけではないが ファイル操作を中心とした基本事項
    および Cシェルについて 楽しく丁寧に解説してある。
  *「Solarisシステム管理入門」   インプレス
    オフィシャルガイドブックの翻訳。ソラリスには これが必須。
  *「Solaris上級システム管理」   アスキー
    上記の上級編。まだこれの御世話になるほど私は使い込んでない。
  *「オープンデザイン 3 4 5 6 10 11」  CQ出版
    仕事の必要から LANやTCP/IPについて 基礎から勉強するため。
    みんなにおすすめはしないが 私は このNo3をくり返し読むところから
    出発した。別に申し込むと掲載されているプログラムをFDでもらえる。
    TCP/IPのデータをモニタリングするなど 基本的なことが出来る。

   雑誌では
  *「UNIX MAGAZINE」  アスキー
    正統派。定期購読の値打ちあり。
    95/6 95/7 に ソラリスの記事あり。役に立つ。
      必死になって使えるようにして 少し落ち着いたころ 入手した。
      事前によんでれば もっと楽だったろう。ただし 腕力は 
      つきにくかったかも...
  *「UNIX USER」    ソフトバンク
    95/9から ソラリスの連載記事がある。毎号付録CDがつくので
    ついつい買ってしまうが sparcマシン上の話なので
    解凍してすぐ 自分のX86マシンで と言うわけにはゆかない。
  *「SoftwearDesign」  技術評論社
    時々 おもしろそうな記事有り。
      95/4 ソラリス完全ガイド(全15ページ)
      95/7 PC−UNIX特集 など

   SUNサポートから NSUG(日本サンユーザグループ)のことを
   教えてもらった。
          連絡先  03−5717−5090 
   セミナー・会報・会員用BBSなどのサービスがあるが 一番値打ちが
   あると思うのは 年1回のCDROMによるフリー・ソフトの配布である。
   最近でた 95年版には ソラリス(X86)用のバイナリが 入って
   実にありがたい。
     これが出るまで ソラリスといっても X86ユーザは 構って
     もらえない と ひがんでいた。
   
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10.gcc を 探して

    なんとなくUNIXにあこがれていたころ、ウオルナットクリークのCDROMで
    GNUのフリーソフトを納めたのに、ソラリス2.3用のバイナリが
    一杯入っているのを見つけた。
    上位コンパチだから、「ソラリス2.4を入れれば あれがみんな使えるぞ」
    と考えたものだが、とんだあさはかであった。
    普通に手に入るのは sparcマシンのソラリス用バイナリであって
    ソラリス(X86)は、ソースコンパチではあるがバイナリは別物である。
    X86用のバイナリはほとんど(というか まったく)出まわっていない。
    UNIXでは (すこしづつ違うUNIXに対応するために)ソースで
    流れるのが普通だから、コンパイルすれば良い訳だが..
        
  UNIXはもともと開発環境だから cc(cコンパイラ)は
  標準で付いているのだが、ソラリスでは別売りである。、
  企画時点の値段で、13万いくらだから、かなりの物入りとなる。
  幸い、日本語版の出る前の英語版のディスカウントということで(私はそう
  解釈した)+3万ぐらいで cc c++ 開発環境 などを OSと
  一緒に買っていた。
  これで コンパイルをはじめたのだが、うまくできたのは、最初の gzip だけ
  で、あとは全然先に進まない。

  コンパイル作業に多少の経験はあったのだが、いままでの、小さい部品作りから
  はじめて段々積み上げてゆく方式ではなく *.tar を 開くと
  一山ファイルがあらわれて configure make と 進むと Segmentation Fault
    などという訳のわからないエラーに落ち、おまけに(DOSには無かった)
    コアダンプで脅かされる、と言う具合で、実にめげた。
    色々調べて、エラーは減ってきたが、一ヶ月かかっても perl が
    出来上がらない。
      本業の合間にやっていたので、30日×24時間ではないが
    
    やっぱり、フリーソフトのコンパイルは gcc と gnuのツールで
    ということで 「ソラリス2.4(X86)用 gccのバイナリ」を
    必死でさがした。
    国内ではただ一ヶ所 kddのftpサイトにあることをつきとめたが
    私は無料のネットしか入ってないので、地元の本庄ネットに「おたずね」を
    だしたら すぐに BARさん ぷらずまさんからレスがあり感激した。
    BARさんにダウンしてもらったのを BARNET経由で受け取った。
    3.6Mの大物である。早速インストールして Hello World が
    動いたときは 感激した。
      ftp.lab.kdd.co.jp  /Sun/Solaris/x86/gcc-2.5.8-sol2.4_x86.tar
    
    その数日後に、NSUG95のCDROMを受け取り、たくさんの
    x86用バイナリに、むしろ呆然とした。(なんたるゼイタク)

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11.SUNへの御願い

    ソラリス(x86)は、SPARCマシンとそのソフトとは、すこし違った
    売り方/サポートの仕方があるように思う。
    
  *ニフティとかMIXとか 一般人がアクセス出来るところに、BBSを
   設けてほしい。
     すでにあるのかも知れない。そうだったらごめんなさい。
     SUNサポートに聞いた限りでは そういう話はなかったが。
   ユーザ同士の情報交換にメーカーが参加するというのは、なかなか良い
   やりかただと思います。
   NSUGに入れば、SUNTANが利用できるといっても、パソコンしか
   もってなくて、これからソラリスを買おうと思案中の人には無理です。

  *サポートが有料というのは異論がない。
   ただ、私の経験からして、インストールしただけではオープンウインドが
   立ち上がらないとか、プリンタが働かない、と言った 
   「ソラリスが まともに動き出すまで」のごたごたはきつい。
   身の回りに「UNIXグル」が見当たらない場合は、なおさらである。
   そういう意味で、サポート期間を 6ケ月 とか 4ケ月に縮めた
   (従って 料金の安い)サポートも選べたらと思う。

  *製品のなかに 次のような内容のペラを入れてほしい。
   (ユーザ登録したら 即 送付でも良い)
   大メーカらしく、SUNで発行したものはすべて責任を持つ必要がある
   と考えておられるかもしれないが、そんなものでもあるまい。
    ・アップデートディスクの請求方法
    ・起動と停止の方法
       DOSユーザにとって shutdown で止めるというのは常識では
       ない。初心者に一日付き合って インストール/起動/停止を
       やってもらうと、どこでひっかかるか良くわかる。
    ・プリンタと時間の設定
    ・NSUGのPR
    ・UNIXに関する 一般的な解説書 と 雑誌 の紹介
    ・ソラリスに関する解説書の紹介
    ・情報やフリーソフトの入手方法

  *ポストスクリプトは確かに高機能であるが、パソコンの世界では、それほど
   一般的ではない。
   LIPS とか ESC/PAGE でも 同程度の機能があるのではないか。
   これらへの変換ソフトを、別売りででも出していただけるとありがたい。

  *サポート(正式には サン・ソリューション・センタ)の方々には
   親切に対応していただいた。
   SPARCマシンを使った修行は充分につんでおられるだろうし 
   ソラリス(X86)を載せたマシンを手元に用意もしておられると思う。

   ただ、あえて言わせていただければ、生のマシンに一からインストールして
   立ちあげるという経験をそれほどやっておられないように見える。
   DOS/Vマシンのすべての組み合わせについてやってみるのは不可能だ。
   メーカーでチェックしたリスト以外の組み合わせに責任は持てないというのも
   当然と思う。
   しかし、2〜3種類の生のマシンに自分でインストールしてみるというのは 
   可能のはずだし、そうすることによって「入門者のつまづく問題」に対する
   理解が深まるのではないか。
   
   悩みを相談すると「コンパックとゲートウエイでは問題ありません」という
   返事しかもらえず、しかも「これは どのマシンでも共通のはずだが」との
   スキマでさまよった体験から、しみじみそう思う。

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